2022/11/11
スタッフ日記町内イベント富岡町立小・中学校での炊き出し訓練に参加しました【防災】【減災】
11月2日(火)、富岡町立富岡小・中学校で、炊き出し訓練が行われました。
富岡町社会福祉協議会、日赤奉仕団(地域赤十字奉仕団)、富岡町役場、富岡小中学校教職員の約25人がボランティアとして参加。とみおかプラスは日赤奉仕団の一員として訓練に参加しました。
この炊き出し訓練は、11月5日の世界津波の日を機に、「富岡小・中学校が避難所になった」場合を想定し、炊き出しの量や配膳までの時間を、実際につくってみて測定することを目的に行われました。
また、現在の小中学生は東日本大震災後に生まれたり、当時まだ幼かったりで震災時の記憶がほとんどありません。若い教職員も、震災当時は学生だった人も多いため、訓練で疑似体験をし、学んでいくことも同時に目的とされました。
特別教室とホール、2カ所で、おにぎりを握る班、握ったおにぎりを詰める班に分かれて作業を行います。社協スタッフと日赤奉仕団は、おにぎりを握る班でした。
小学生用には、45人分、中学生用には、25人分をつくります。
おにぎりは「ゆかり」と、白米のみの2個。
これは、実際に避難所で炊き出しを食べることになった時に味の付いていない白米の場合があるのでそれを体験してもらうことと、富岡町産「天のつぶ」の新米を使用しているのでお米本来の味を感じて欲しいという、地産地消の食育の意味も込められていました。
異物混入や食中毒防止のため、作業は徹底した消毒、規定された装備のもとで行われました。
青いサランラップを使用するのは、異物混入の際にすぐわかるからだそうです。
小学生用、中学生(大人)用と分量が分かれていますので、ご飯をよそう人が分量を調整し、手早く握っていきます。しかし、皆さんサービスが旺盛なのかだんだん大きくなってしまう現象があちこちで……。最後に調整したり、チームワークで仕上げていきます。
感染症予防のため、基本的にはおしゃべりは少なめに作業を行ったのですが、作業している富岡町の皆さんは東日本大震災を体験しています。自然と当時の炊き出しや避難所時代の話が始まり、体験しているからこそ子どもたちにちゃんとしたものを食べさせてあげたい、という気持ちが込められているように感じました。
そして、このような共同作業の中で、震災時の経験や思いが共有され、次の災害時での備えや心構えにつながっていくことも、炊き出し訓練が持つ大事な役割だと感じました。
作業はほぼ1時間で終了。学校が想定していたよりずいぶんと早い時間に終えることができたようでした。給食の配膳時間まで、先に炊き出しを実食することになりました。
豚汁とシュウマイは給食室でつくられたものです。実際の炊き出しはおにぎりだけの場合もあるかもしれませんが、今回は「炊き出し給食」ということで、栄養バランスなど規定に沿った内容でメニューをつくったそうです。
給食の時間になると、小学生から学年順に「炊き出し給食」を取りに来ます。
これも「順番に並んで炊き出しをもらう」という訓練の一環です。
全員揃ったところで、地域の皆さんに挨拶をしてから炊き出し給食を受け取る子どもたち。訓練とは言っても、普段とは違うシチュエーションに興味津々という思いが強いよう。配膳するボランティアと言葉を交わしながら、楽しそうに教室へ炊き出し給食を持ち帰っていく姿が印象的でした。
配膳終了後は教頭先生に、給食時間の教室を案内していただきました。
スタッフから「今日のおにぎりは、今年できたてのお米なんですよ」と伝えると子どもたちからは、「白いおにぎりおいしい!」「おなかいっぱい」「ありがとうございます」などの声が聞かれました。
普段、イベント時以外で子どもたちと接する機会が少ないため、こういう場面で子どもたちの元気な姿を見られるのはとてもうれしいことですね。
富岡小学校のブログにも、炊き出し給食のことが掲載されています。
最後に、参加したボランティアと学校の先生方とで振り返りを行いました。
炊き出しをつくる際に使用するかもしれない給食室の見学をしたいという声もあり、外からの見学会も行われました。このように外から給食室を見学できるのは珍しいそうで、富岡小中学校が給食という部分にも力を入れていることが垣間見えた時間でした。
小中学校の先生方、地域の皆さん、役場職員の皆さんと、顔を合わせて訓練ができたという意味でも非常に意義のある炊き出し訓練でした。皆さん、ありがとうございました。
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