2019/08/07
町内イベント観光スポット【富岡町の祭り】麓山の火祭り/福島県指定重要無形民俗文化財【季節の行事イベント紹介】
【最新情報】2021年(令和3年)の「麓山の火祭り」の開催は、 新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、中止が決定しました。
富岡町の伝統行事「麓山の火祭り」
夏のイベントのひとつとなっていますが、その歴史は古く、400年続いているといわれています。
神事でありながら仏教の盆踊りで締めくくるという神仏習合の影響が現在でも見られる伝統行事です。
最大のもので長さ約3m、重さ約40キロもある松明は、担ぎ手がそれぞれ手作りします。
もっと「麓山の火祭り」を楽しむため、詳しく解説していきます。
2021年(令和3年)の【麓山神社の火祭り】に関する情報はこちらのページをご覧ください。
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「麓山の火祭り」
麓山神社の火祭りは、上手岡の杉内地区の麓山神社を舞台に毎年8月15日に開催されます
祭り当日は、午前中から「七拾五膳の献膳」とよばれる氏子の持ち寄った野菜等を神殿に並べて祈祷を行なう儀式が行われます。
夕方になると、白褌姿の若者が境内に集まり、お祓いを受けた浄火を大松明に燈して、ご神体を先頭に「千灯(せんどう)、千灯」の掛け声とともに頂上を目指して駆け上がります。頂上では万歳三唱をした後また一気に駆け下り、その後、境内を三十三周し神事の終焉を迎え、盆踊りへと移行します。
麓山神社の火祭りは、神社の記録が江戸時代に焼失してしまったために起源が不明となっていますが、福島県内に広く伝わる「ハヤマ信仰」の典型例として、また、県内でも大松明に火を燈すことに特色ある神事として福島県の指定重要文化財のひとつとなっています。
神社の起源と祭礼の歴史
麓山神社の起源は、江戸時代に焼失してしまっているという言い伝えがあり現在は定かではありません。しかし、明治六年に再度書き起こされた縁起には従来、地蔵院(高木山地蔵院)の別当であったことが記されています。
いつ頃から火祭りの神事が行われるようになったのか今では解りませんが、毎年旧暦の七月十五日に祭礼が行われていたことが記録されています。
また明治六年当時、九十六戸の氏子の世帯があり、社殿は本社の間口、奥行ともに三尺五寸(≒105cm)で八町七反五畝(≒86.700㎡)の山林を有していたことが解ります。
七拾五膳の献膳
「七拾五膳の献膳」
祭礼の行われる8月15日の朝、氏子の持ち寄った作物を初穂として献膳を行います。これは主にその年の豊作に感謝する意味があると考えられています。
多くの氏子の持ち寄った野菜や穀物が祭壇に並び、とても厳かな空気の中で神事が進みます。
神事「火祭り」
祭礼の日の夕方、白褌姿の若衆が大松明を肩に神事が行われます。
まず御神火を火種に松明に灯りを燈し社殿に一同が会し、ご神体を先頭に「千灯(せんどう)、千灯」の掛声と共に頂上を目指して駆け上がります。
頂上で万歳と共に鬨(とき)の声をあげた後、駆け下りて、境内を三十三周し神事の終焉を迎え、盆踊りへと移行します。
盆踊り
火祭りの終了した後、一切の祭礼の締めくくりに盆踊りが開催されます。
東北の南部に分布するハヤマ信仰の中でも、ここでは麓山の神が祖霊としてはっきり意識されていて、仏教の影響を受けて成立した盂蘭盆(うらぼん)行事との習合が顕著です。
※盂蘭盆行事・・・ここでは本来、祭神(羽山津美命)を信仰の対象としていたものがここでは仏教的に祖先や祖霊と合祀されています。
参考:「とみおかの祭り 麓山の火祭り」より
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東日本大震災及び原発事故の影響
祭りは、東日本大震災が発生した2011年から2017年まで中断していました。
鳥居、本殿、社務所は地震で被害が大きく、
2014年から除染や修復工事に着手。
2018年6月に新築した社務所が完成。
2018年8月に8年ぶりに復活しました。
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間近で見る、松明の火は圧巻です。また火の粉が降り注ぐ中、ふんどし姿で駆けていく担ぎ手の男性たちの勇姿も必見!
ぜひ一度は見ていただきたい、文化的価値ある行事となっております。ぜひおでかけください。
今年の【麓山神社の火祭り】に関する詳細はこちらのページをご覧ください。
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【麓山の火祭り】
[開催期間]毎年8月15日
[開催時間]午後6時から(「七拾五膳の献膳」の儀式は午前中)
[アクセス]上手岡麓山神社(福島県双葉郡富岡町大字上手岡字麓山1)
常磐富岡ICから車で約5分
[問い合わせ]富岡町役場産業振興課 TEL:0240-22-2111
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麓山の火祭りを取り上げている記事リンク
《ダイドードリンコ日本の祭り 2008年の麓山の火祭り》http://www.dydo-matsuri.com/archive/2008/hayama/
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